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(社)腐食防食協会
腐食・防食ハンドブック
CD-ROM版

腐食・防食ハンドブック
CD-ROM版 紹介

発刊にあたって

編纂にあたって

腐食・防食ハンドブック編集委員会

 CD-ROM版編集委員会

もくじ

腐食防食協会会員特別頒布

書評




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腐食・防食ハンドブックCD-ROM版

編纂にあたって


本CD-ROMは2000年2月に刊行された「腐食・防食ハンドブック」のCD-ROM版である.書籍版に一部追加と修正を加え,詳細な索引・代表的な電位-pH図・腐食事例集・単位換算等諸表を付加したものとする事ができた.

このCD-ROM版は,書籍版編集委員長の辻川茂男東大名誉教授が長い腐食・防食分野における活動のご経験から,以下の2つの問題を解決する必要を痛感され,出版が実現したものである;


  1. 便覧やハンドブックは編集時点までに蓄積された知見をまとめるものであるから,科学技術の進展にともなって,いずれの工業分野でも改訂ごとに厚みを増してゆく本性をもつ.書籍による改訂では「厚みと重さと価格」の制限がつきまとう.このため改訂時に,「熱力学のようなものまで毎回書き替えねばならないのか」,「書き替えられた原稿が旧稿より必ず優れるか」という疑念が生ずる.

  2. 広く腐食が専門でない人にも正確な最新の知識を理解してもらい,LCC(Life Cycle Cost)・環境問題に少しでも貢献したい.しかし,「厚い・重い・高い」書籍を提供しても,「どこに欲しい情報が書いてあるか判り難い」,「常に自分のそばに置いておけない」ことになる.


今回はCD-ROM化に多くの作業量をとられたために,本文の大幅な加筆はできなかったが,CDROMは書籍版の6倍の情報量を収容することが可能である.また,特筆すべきは,書籍版にない機能として「全文検索機能」を追加したことにより,以下の特徴を持っていることである;


  1. 自由なキーワードで検索できるため,自分が調べたい内容と一致する部分を即座に見つける事ができ,使い勝手が飛躍的に向上した.

  2. 腐食を専門にしていない多くの人が,習っていない専門用語(化学・金属等の用語)の出現で理解を妨げられることがよくある.例えば,孔食のピット内部の溶解機構に関する用語で,「加水分解」という語がある.この語を化学事典で引いても良く理解できない.ところが,このハンドブックには10カ所以上にこの語が用いられている.複数の文脈の中でどの様に使用されているかを知れば,辞書ではできない理解が可能となる.別の例では,「硫酸塩還元菌」を検索すると,意外に多くの産業分野で腐食と関係していることが判る.すなわち,「優れた腐食の学習用教材」となったことである.


その他にも本CD-ROM版は,写真のカラー化・事例集の追加等の優れた特徴を持っている.

また,CD-ROM版は付加機能を加えるほど,パソコンのOSやソフトのバージョンアップに対応する必要があり,従来書籍版の10年の改訂サイクルでは使い物にならなくなることが判ってきた.逆に,この欠点を活かして,不断の編集活動により改訂を繰り返すことによって,さらに役立つハンドブックになることが期待される.

追加データを提供いただいた執筆者各位と,多大の苦労をいとわれなかった編集委員各位に深甚なる謝意を表するものである.最後に,このたびのCD-ROM化が成し遂げられたのは,村上弘良委員(日本原子力発電)の能力に負うところが多大であったことを特筆する.

¢腐食・防食ハンドブックCD-ROM版£編集委員会 
委員長 中島博志