Abstract
平成23年度 第1回材料のパフォーマンス研究会 講演者と概要
[A講演] 「TiO2‐光照射停止後の電位貴化遅延特性」
東京大学名誉教授 辻川 茂男
光照射中電位が低下します/日が暮れると電位がもとの高い値にもどるのが普通ですーゾルゲル法でつくったTiO2の特徴として翌朝くらいまで低い電位が保たれることがわかりました、エネルギ貯蔵素子の可能性もあるのではと想っています。
[A講演] 「有機・無機ハイブリッド接合構造の形成のための光電気化学プロセス」
(独)物質・材料研究機構 川喜多 仁
有機高分子と無機酸化物の半導体からなるハイブリッド接合は、両材料によりもたらされる相乗効果;1)大気中で化学的に安定、2)材料選択の多様性、3)三次元構造作製の自由度、4)材料とプロセスのコストポテンシャル、5)資源リスクの回避により、従来の無機化合物や有機化合物同士の接合に比べ、エレクトロルミネッセンス(EL)、電気整流、光発電(PV)といった光・電子機能を大気中で安定して発揮することが期待されているが、現時点における機能特性は低い。これらの機能特性の向上のためには、ハイブリッド接合構造を明確に定義した上で接合構造と物性・機能特性との関係を解明し、接合構造の設計を行うことが重要である。しかしながら、ハイブリッド接合構造を形成するための適切なプロセスは依然として確立されていない。そこで、無機酸化物として平滑な酸化チタン単結晶を用い、光電気化学反応により、その表面上に有機高分子(ポリピロール)を形成するプロセスについて研究を行っている。本講演においては、光電気化学プロセスとこれまでに得られているハイブリッド接合の構造・物性について紹介する。
[B講演] 「仏国材料経年化研究所における研究紹介」
東京電力(株)技術開発研究所 龍岡 照久
2009年11月より約1年間駐在したフランス電力の材料経年化研究所(MAI/The Material Ageing Institute)における研究内容について報告する.MAIは,原子力発電分野に関わる材料の経年劣化に関する研究を行っている.金属材料の腐食や高分子材料の経年劣化等の様々な研究プロジェクトに関わったが,今回は主にNMR等を用いた低圧ケーブルの劣化評価等について紹介する.その他に,MAIの組織概要や研究活動,フランスで訪問した研究機関,フランスでの生活等についても紹介する.
以上
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