Abstract
平成21年度 第3回材料のパフォーマンス研究会 講演者と概要
「環境・エネルギー機器と材料的課題の紹介」
(株)荏原製作所 野口 学
廃棄物処理・エネルギー変換装置や家庭用燃料電池システムなどとそれにまつわる材料問題について紹介する。廃棄物処理装置においては発電装置として大きな期待を集めており、そのため高効率化が大きな課題となっている。また家庭用燃料電池システムにおいては、燃料となる水素を高温プロセスで製造するため、構造材料は腐食や強度的な問題に耐える事が要求される。これらのプロセスにおける特に高温における材料問題とその取り組みについて報告する。
「環境に優しい表面処理」
日本パーカライジング(株) 迫 良輔
近年、「地球環境保護」がグローバルな問題として様々な局面で取り挙げられている。金属表面処理において、環境負荷物質低減、廃棄物低減、エネルギー削減などが求められ、工程短縮、低温化、スラッジレス、P、Nフリー、クロムフリーなどの対応が実施されている。これら、最新の環境対応技術に関して、特に、欧州のEU指令RoHS対応として開発した亜鉛めっき鋼板のクロムフリー技術を中心に述べ、その耐食性メカニズムについて言及する。
「ステンレス鋼のすきま内溶液特性」
(独)物質・材料研究機構 篠原 正
すきま内溶液を模擬してステンレス鋼の主な構成成分であるFe, Cr, Niの塩化物の混合溶液を作製し、Cr錯イオン生成が平衡に達した後に錯イオン生成挙動やpHを調べた結果を紹介する。
pHはCr/[Cr(OH)]⁺の平衡で決まり、その他のイオンはH⁺の活量係数を増大させる(pHをさらに低下させる)。これらのデータを踏まえ、物質移動と錯イオン生成を考慮した数値モデルについても紹介する。
以上
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